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ニコチン置換療法(その2)
当院での実際の禁煙プログラム
<第1回目(初診日)>
こくの医院の禁煙外来では、まず禁煙を希望された患者さんひとりひとりに、なぜ禁煙をしようと思ったかの「きっかけ」、つまり動機を必ずお聞きしています。というのは、中途半端な気持ちや、家族にムリヤリ連れて来られたような例では、多くの場合失敗するからです。ニコチンパッチは大変すばらしい道具ですが、きびしい離脱症状を乗り切るためには、何よりも患者さん自身の強い意志がなければ達成は困難です。
次に、患者さんのタバコに対する依存度を簡単に判定いたします。
(1)一日のタバコの本数
(2)朝起きてから何分以内にタバコを吸うか
を質問することで、ニコチンの中毒症状による依存性の強さを簡易的に判定することができます。依存度が強いほど、タバコをやめることは難しいのです。

上の写真はスモーカライザーという機械です。タバコを吸う人の血液の中には一酸化炭素が多く溶け込んでいます。これはその濃度を測定する機械です。当院ではこの機械でも左のパイプのような管に息を吹き込むことで、その人の喫煙の度合いによって血中一酸化炭素を測定することが出来ます。タバコを吸う人がその数値が高く表示されるのは当然ですが、驚くことにタバコを吸わない人でも同居している家族が吸っているだけで、数値が高くなるのです。受動喫煙の影響が最近取りざたされている理由に納得が行くことと思います。
次に、タバコがどれだけ人間に取って害であるか、また周囲のタバコを吸わない人々にも多くの害を与えているかについて、図やグラフを用いながら説明いたします。最近では多くの衝撃的な事実が科学的な検証によって明らかにされてきています。正しいタバコについての知識を持たないと、手強い相手に打ち勝つことはできません。
これらを説明した後にはじめて、実際の禁煙プログラムの説明に移ります。誤解されている方が多いのですが、「タバコの本数を減らしながらやめていく」という方法は絶対にうまくいきません。タバコを一本でも吸っている限り、ニコチンの中毒症状のスパイラルから抜け出ることは不可能に近い事です。
さて、外来ではニコチンパッチの仕組み、使用法、注意点などを説明いたします。はじめにお渡しするのは原則として二週間分(14枚)の一番大きい(30mg)のニコチンパッチです。パッチはあくまでも医薬品ですので、人にあげたり、間違った使い方をしないようにくれぐれも注意して下さい。
さて、最初の二週間はプログラムの中で一番大事であり、かつ一番つらい時期です。禁煙を始めてからはじめの2〜3日目(あるいは一週間目あたり)が、ニコチンの離脱症状がもっとも強く出る時期です。飲み会やパチンコ店などに行くのは控えましょう。一本でも吸ってしまった時点で、今回のプログラムは振り出しに戻ってしまうとお考え下さい。もし、どうしても吸ってしまいたくなったら、一本吸う前に当院にお電話一本下さい、私がお話しいたします。吸うのはそれからでも遅くありません。
<第2回目(2週間後)>
さあ2週間目です。ここまで一本も吸わずに診察室にいらしたあなたは今回の禁煙プログラムの半分は達成できたも同然です。ニコチンの離脱症状もはじめの頃にくらべるとずいぶん楽になってきていることでしょう。しかし、油断は禁物です。底意地の悪い友人が飲み会でタバコの箱を差し出したりしても、決して誘惑に乗ってはいけません。一本でも吸ってしまったら、再びニコチン中毒の蟻地獄にはまってしまうからです。
<第3回目(4週間後)>
この日お渡しするニコチンパッチは、今までお渡ししていたものより一回り小さいものです(標準的なコースの場合)。含まれているニコチンの量も2/3と少なくなっています。そろそろ気を付けなければならないのは、食欲の増加についてです。喫煙を中止することにより、それまで抑制されていた食欲が急に増進され、またニコチンの禁断症状による口さびしさから、ついつい食べる量が増えてしまいます。これは禁煙した人ほとんどに起こる現象です。せっかくタバコをやめたのに、体重増加による生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症など)になってしまったら元の木阿弥ですね
<第4回目(6週間後)>
いよいよ一番小さなパッチをお渡しする日になりました。もちろん、患者さんによって、離脱症状の強い人にはプログラムを延長する事もありますし、場合によっては早く終了することもあります。個人差がありますので決してあせらないことです。
<第5回目(8週間後)>
さあ、今回のプログラムも今回が卒業式です。明日からはパッチなしで過ごすようにしてください。まだタバコをやめて2ヶ月しか経っていないのに、なんだか体の調子が良くなったような気がしませんか?物の味や匂いが今までよりはっきりわかるようになったり、他人の吸うタバコの匂いがイヤに感じるようならしめたものです!これであなたはタバコの呪縛から解放されました。とは言っても油断は禁物!くれぐれも、タバコにはもう手を出さないように・・・(^_^)v
<残念ながら失敗された方へ>
ニコチンパッチによる禁煙プログラムを行っても、残念ながら途中でタバコを吸ってしまう方は残念ながらいらっしゃいます。でも「もうオレは禁煙なんてできない」なんて決して思わないで下さい。私は決して怒ったりしません。私と一緒になぜ失敗したかを考えましょう。今回の失敗原因をよく見直して、しばらくしてから、もう一度トライしてみましょう!
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